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法律Q&A「自由財産とは?」を追加しました

2018/04/05(木)

自己破産をした場合、不動産を手離したり、所有権留保付の車を引き揚げられたりしてしまいますので、自己の手元に財産が一切残らないと思われている方もおられるかもしれませんが、そのようなことはありません。ここでは、自己破産しても処分しなくてもよい財産である「自由財産」につきご説明します。

 

自己破産を申立てて、無事に免責を得たとしても、あらゆる財産の処分を強制され、その後の生活がままならないのだとすると、破産者は経済的再起更生を図ることができません。それでは、破産をした意味が不十分となってしまいます。

 

そこで、個人破産の場合には、生活に必要となる最低限度の財産(または破産手続上換価ができない財産)については、仮に自己破産したとしても、処分しなくてよいこととされています。この財産のことを、「自由財産」といいます。それでは、自由財産には、具体的にどのようなものが含まれるのでしょうか。

 

 新得財産

破産手続開始後に破産者が新たに取得した財産は、破産財団に組み入れられません。この破産者が破産手続開始後に新たに取得した財産のことを「新得財産」といいますが、これも自由財産の1つです。

 

 差押禁止財産

法律上差押えが禁止されている財産(差押禁止財産)も自由財産となります。差押禁止財産には、様々なものがありますが、主たるものは、民事執行法に規定されている「差押禁止動産」や「差押禁止債権」です。

差押禁止動産とは、その名のとおり、差押えが禁止されている動産です(131条)。生活に欠くことのできない衣服、寝具、家具、台所用具等が差押禁止動産とされています。

差押禁止債権とは、これもその名のとおり、差押えが禁止されている債権です。給与の一部以外にも、特別法上、年金、労災保険、失業保険、生活保護受給権なども差押禁止債権とされています。

 

 99万円までの金銭

また、99万円までの金銭も自由財産とされています(破産法34条3項1号)。なお、ここにいう「金銭」とは、「現金」のことです。預貯金はここにいう「金銭」には含まれません。

 

 自由財産の拡張がなされた財産

前記の3つ(新得財産・差押禁止財産・99万円以下の現金)は、「本来的自由財産」と呼ばれており,自由財産となることが確実な財産です。

しかし、これら本来的自由財産を残しただけでは、破産者の最低限度の生活を維持することができないという場合もあります。そこで、本来的自由財産ではない財産であっても、裁判所の決定によって、自由財産として取り扱うことができるという制度が設けられています。この制度のことを「自由財産の拡張」といいます。この拡張が認められた財産は、自由財産として処分を免れるということになります。裁判所は、破産者の生活の状況、破産手続開始時に破産者が有していた自由財産の種類及び額、破産者が収入を得る見込みその他の事情を考慮して、自由財産の範囲を拡張することができます。例えば、経年劣化の激しい自動車は、その価値に照らし、自由財産となる余地があります。すなわち、申立代理人弁護士としては、破産者が抱える個別的事情(介護等のために必要不可欠等)や地域特性(公共交通機関が乏しい等)を上申し、裁判所による弾力的な運用がなされることを求めます。

 

 破産管財人によって破産財団から放棄された財産

破産手続においては、自由財産に当たらず、破産財団に組み入れられることになった財産であっても、処分費用が高額になるだとか、または買い手がつかないなどといった理由から,容易に換価処分ができない財産というものがあります。このような場合、破産管財人は、裁判所の許可を得て、換価処分が不可能ないし困難な財産を破産財団から除外する措置をとることができます。この破産財団から放棄された財産も,それ以降は自由財産として扱われることになります。よくある例としては、居住していたマンションの一室がどうしても買い手がつかず、債権者集会を複数回経ても今後の売却が望めないという場合、最終的に破産管財人が破産財団から放棄するということが挙げられます。その場合、放棄された物件は破産者の手元に戻りますが、多くの場合、抵当権が実行されて競売にかけれらるという流れになるかと思われます。

 

以上のように、自由財産という破産財団に属しない自由に使用・収益・処分ができる財産があります。特定の財産につき、自由財産拡張の申立ができないだろうかというご相談をお持ちの方は、神戸で債務整理35年を超える実績のシャローム綜合法律事務所までお問い合わせ下さい。