介入通知(受任通知)とは

貸金業者や債権回収会社からの督促に困り果てて当事務所へお越しいただく方は非常に多いのですが、そのような督促(電話・FAX・訪問等)をストップさせる仕組みにつきご説明します。

弁護士に債務整理の事件を正式に依頼されますと、弁護士は即座に債権者に対して介入通知(受任通知)を送ります。この介入通知には、単に債権者に対して事件の受任をしたことを通知するだけではなく、貸金業者や債権回収会社からの直接の取り立てをストップさせるという効果があります。

法的な根拠ですが、貸金業者に関しては、貸金業法21条1項9号が、「債務者等が、貸付の契約に基づく債権に係る債務の処理を弁護士若しくは弁護士法人若しくは司法書士もしくは司法書士法人(以下この号において「弁護士等」という。)に委託し、又はその処理のため必要な裁判所における民事事件に関する手続をとり、弁護士等又は裁判所から書面によりその旨の通知があった場合において、正当な理由がないのに、債務者等に対し、電話をかけ、電報を送達し、若しくはファクシミリ装置を用いて送信し、又は訪問する方法により、当該債務を弁済することを要求し、これに対し債務者等から直接要求しないよう求められたにもかかわらず、更にこれらの方法で当該債務を弁済することを要求すること」を禁止しています。

これに違反した場合は、2年以下の懲役、300万円以下の罰金、あるいはその両方の刑罰を科すものとされており(47条の3第3号)、刑罰による制裁が法律により規定されています。また、業務停止や貸金業登録取消といった行政処分の対象となる場合もありますので、貸金業者にとっては、こちらのほうが深刻なダメージとなるでしょう。

また、貸金業者ではない債権回収会社(サービサー)に関しても、類似の規定がいわゆるサービサー法により定められています。

このように、弁護士が介入通知(受任通知)を送ると、貸金業者やサービサーからの督促はピタリとストップします。これにより皆さん一様に安堵され、請求に怯えて精神状態が尋常でなくなっていた方も、ひとまずは落ち着いて冷静さを取り戻すことが可能となります。以後は債権者への支払も必要なくなりますので(逆に、支払うと偏波弁済となり免責不許可事由になるため注意が必要です。)、落ち着いて申立へ向けた準備に着手することができます。

なお、介入通知により法的に取り立てを停止させることができるのは、貸金業者とサービサーのみです。したがって、個人の債権者は介入通知を受けたとしても取り立てをすることが可能です。
また、制限されるのは、上記のとおり、訪問やFAX等に限られますので、訴訟を提起することは制限されません。
したがって、介入通知により、毎日あった電話がかかってこなくなり安心してしまい気持ちが大きくなって、弁護士から依頼を受けていた資料の収集等を放置して相当期間が経過してしまって、ある日突然債権者から訴訟を提起され、青ざめて弁護士に連絡をするといった方がおられます。給与債権を差し押さえられたりすると、生活自体が突如に苦しくなるのはもちろんのこと、その後の申立手続自体も方針転換を迫られる事態となってしまうことがありますので、取立てがストップしたからと言って油断は禁物です。